【第2回】結核の感染経路
今回は、結核の感染経路についてです。
結核は、結核菌による感染症です。
そのため、結核の感染は結核菌を吸い込むことで起こります。
結核患者が咳やくしゃみをすると大量の結核菌をふくんだしぶきが出ます。
近くの人はそれを吸い込むことで感染する恐れがあります。
これを、飛沫感染といいます。
インフルエンザを含む多くの呼吸器感染症がこの様式で感染します。
一方、しぶきの中の水分が蒸発すると、結核菌のみがふわふわと浮遊しつづけ、感染することがあります。
これを空気感染といいます。
結核は空気感染を起こすため、結核患者への対応は特別なものになります。
できる限り陰圧室(部屋の外に空気が出ていきにくい部屋)に入れ、
患者さんにはサージカルマスクをしてもらって、しぶきを飛ばさないようにしてもらい、
医療従事者が接する際にはN-95マスク(微小な菌も通さない特殊なマスク)をつけて対応します。
結核菌を吸い込んでも、必ず結核を発病するわけではなく、
咳などで結核菌を排出すると感染しないし、結核を発病するかはその人の免疫力次第です。