ここでは新型コロナウイルス(COVID-19)の情報についてアップしています。
日本プライマリケア連合学会から「COVID-19 診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」が公開されました。
非常に秀逸なマニュアルかと思いますので、リンクを貼っておきます。
https://www.primary-care.or.jp/imp_news/20200311.html
開業医向けの手引きですが、非常に具体的なアドバイスがさまざまなケースを想定してあげられています。
一般人にも関係する部分を以下に要約してみます。
(1)COVID-19感染症を疑うのは以下のような場合です(p7)。
発症から4日以上症状が持続する場合
発症から4日未満であっても、高齢者、基礎疾患を有する患者または妊娠中の女性の場合
経過中に肺炎様の症状が出現した場合
安易に早期受診するのではなく発症初期には自宅療養とし、不用意な出勤などの外出を控えることが重要(毎日体温を測り記録)(p10)。4日症状がつづけば「帰国者・接触者相談センター(新型コロナウイルス受診相談窓口)」に電話相談。自宅療養により、COVID-19でないかぜであれば通常3-4日で自然に治ってくる(p11)。
(2)自宅療養の際には同居家族への感染を防ぐため十分な予防措置を行う(p13)。
感冒様症状の患者はできる限り家族との接触を避け、療養する部屋も分ける。
看病が必要な場合は、看病する人を限定する(1人が望ましい)。ただし、高齢者、基礎疾患を有する患者または妊娠中の女性には看病させない。
患者と家族はタオルを共有せず、別のものを使う。
患者の入浴は最後にする。
療養する部屋から患者が出るときは、マスクをつけ、部屋を出る直前にアルコール手指消毒する。
患者が触った場所(ドアノブや手すりなど)をアルコールを浸した紙で拭き取り消毒し、拭き取った紙は再利用せずすぐにゴミ箱に捨てる。
定期的に部屋の窓を開けて換気する(目安:1-2時間に一度、5-10分程度)
患者が使った衣類やシーツを洗濯する際は、手袋とマスクをつけて洗濯物を扱い、洗濯後には十分に乾燥させる。
患者が出すゴミはビニール袋などに入れ、しっかりと口を縛って密閉してから部屋の外に出す。ゴミを扱った直後にはしっかりと手洗いをする。
(3)受診時の心構え(p15)
感冒様症状がある場合は、サージカルマスクをつけて受診。
自家用車での来院時には、診察までの待ち時間を自家用車内で待機する。
(4)インフルエンザ検査の実施は慎重に判断する(p18-19)。
インフルエンザ検査で鼻腔にスワブを挿入する際に強いくしゃみ、咳が誘発されることがあり、医療従事者や同席者に感染するリスクが高まる。
インフルエンザ検査は特異度は比較的高いが、感度は60%程度と低い。そのため、インフルエンザ検査が陰性であってもインフルエンザを否定することはできない。
インフルエンザ検査が陽性であっても、COVID-19との重複感染の可能性が否定できない。
(5)PCR検査について(p23-24)。
PCR検査を希望しても、実施するかは帰国者・接触者相談センターあるいは医師の判断である。
検査結果が陰性であっても、必ずしも感染がないことを示すわけではないので、症状があるうちはマスクとこまめな手洗いをする。
2019.3.6時点でPCR検査を健康保険で実施できる医療機関は「帰国者・接触者外来」を設置している医療機関に限られる。
(6)高齢者施設における感染対策(p29)
職員は標準予防策を徹底する。
通所等する利用者では送迎前に体温測定を行い、発熱を認める場合は利用を中止させ自宅療養については主治医の判断を仰がせる。
入所施設においては、緊急やむを得ない場合を除き、可能な限り面会を制限する。
面会を検討する場合は施設立ち入り前に面会者に体温測定してもらい、発熱その他感冒様症状がある場合は面会を断る。
(7)感染者の人権擁護および風評被害対策(p30)
COVID-19感染症は、患者の8割は軽症のまま自然治癒し、肺炎に進展するのは2割程度、さらに集中治療を要するなどの重症化は数%。
今後、軽症者を含めたすべての患者を入院させるのは現実的でなくなってきています。
人権擁護、風評被害がでないように留意する必要があります。
一人一人がただしい知識を身につけた上で行動しましょう。
一刻も早いCOVID-19終息を期待します。