COPDの治療はFEV1(1秒量)低下の程度による病期と、症状の程度を総合的に勘案して決めます。
早期から行うべきこととして禁煙、インフルエンザワクチン接種、全身併存症の管理が挙げられます。
また比較的早期から呼吸リハビリテーションを行う有用性が報告されています。
薬物療法としては、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、長時間作用性β2刺激薬(LABA)を中心とした吸入薬がメインです。
進行すると在宅酸素療法、さらに進行すると外科療法や換気補助療法を考慮することになります。
COPD診断と治療のためのガイドライン第4版
COPD診断と治療のためのガイドライン第5版の安定期COPD管理のアルゴリズムでは吸入ステロイド(ICS)が記載されていません。
第4版では増悪を繰り返す場合にICSを上乗せするようなイメージでしたが、第5版ではFLAME試験などの結果を受け、ICSは喘息合併(ACO)の場合のみに使用するイメージです。
また、身体活動性の向上と維持の観点から、非薬物療法(呼吸リハビリテーション(教育・運動・栄養))が大きく扱われています。
上図は国際的なCOPDの機構であるGOLD (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)による2019年におけるCOPDの診断、管理イメージです。
まずは呼吸機能検査(気管支拡張剤投与後のFEV1/FVC <0.7)でCOPDの確定後に、%FEV1(予測値に対する比率)で気流閉塞を評価します。
実際の管理は自覚症状(mMRC, CAT)を横軸に、増悪歴を縦軸にとって、4つの群にグループ分けを行います。
グループAは自覚症状も軽く増悪も少ない群であり、1種類の気管支拡張剤(SABA,LABA, LAMA)でよいでしょう。
グループBは自覚症状が強いが増悪は少ない群であり、長時間作用性のLABAあるいはLAMAが推奨されます。
グループCは自覚症状は軽いが増悪が多い群であり、増悪予防効果の点からLAMAが推奨されます。
グループDは自覚症状も強く増悪も多い群であり、基本的にLAMA+LABAの合剤が勧められます。ICS+LABAは好酸球が300以上など喘息の要素が疑われる場合に使用が推奨されます。
参考:https://www.guidelines.co.uk/respiratory/gold-copd-2019-strategy/454454.article
COPDの治療薬はLAMA,LABAなどの吸入薬です。
LAMAとしては
•スピリーバ🄬(レスピマット)
•シーブリ🄬(ブリーズヘラー)
•エンクラッセ🄬(エリプタ)
•エクリラ🄬(ジェヌエア) があります(*)。
(*)商品名🄬(デバイス)という記載方式です。
LABAとしては
オンブレス🄬(ブリーズヘラー)
オーキシス🄬(タービュヘラー)
ツロブテロール🄬(貼付薬) があります(*)。
(*)商品名🄬(デバイス)という記載方式です。
単剤で効果がないとき、LAMA/LABAの合剤を使用します。
ウルティブロ🄬(ブリーズヘラー)
アノーロ🄬(エリプタ)
スピオルト🄬(レスピマット) があります(*)。
(*)商品名🄬(デバイス)という記載方式です。